2010年8月9日月曜日

ロアルドダールの空

雨、降ってる。夜遅くから降り出した雨、今日は少しは涼しくなるんだろうか。

まあ、昨日の日曜日は久々の曇り空で、気温も真夏日とまではいかなかったけど。
夕方、電車の窓から空を眺めていると雲が多層に重なっていて、夕焼けが綺麗だろうななんて思った。
下層に生々しく白い雲の塊。その上に濃い灰色の雲のベースがあって、更にその上にはうすい灰色の雲。
雲の切れ間は、当然あって、夕方の青空が覗いている。
雲を眺めていると飽きないんだけど、なかなかそういう事ばかりしていられないのが、何だかね。

ふいに、ロアルドダールの「飛行士たちの話」の中の一つの短編を思い出した。
第2次大戦初期、北アフリカに駐留するイギリス空軍の小隊で、ドイツの船を偵察に行ったまま燃料切れの時間になっても帰らない飛行機。
仲間たちは、撃墜されたものだと思っていると、何日か後にひょっこり帰って来る。
どうしたんだと尋ねても、飛行士は偵察に行って帰って来ただけだと話す。
やがて、その飛行士は、その飛行の間に経験した不思議な体験を思い出して話す。
それは、雲の中に突っ込むと、いろんな年代の戦闘機が一列に飛んでいて、自分の戦闘機も自分の意思と関係なくその列に加わっていたという話。
やがて、その飛行機の列は次々と着陸していくが、自分の飛行機はそこに着陸できない。
なぜかそこに行きたいと思うのに、自分の飛行機だけがそこから離れてゆき、気がつくと任務の途中で、それを果たして帰って来ると何日か経過していた。
その飛行機たちは、みんな過去の戦闘で撃墜された飛行機で、彼の飛行機は、その時はまだそこへは行けなかった。
彼も、後日撃墜されるのだが、その時の表情は幸せそうだった。
という話。

あの雲の中なら、そんな事も想像できるかも。
そういえば、日本の昔のテレビドラマ「ウルトラQ」のエピソードにも、着陸寸前の旅客機がふいに雲に突っ込んで飛行場のレーダーから消える。
その旅客機は雲の中の不思議な空間で、他の誰も乗っていない旅客機の残骸と怪獣に出くわすが、何とか無事に帰って来るって話があった。
意外と、ロアルドダールが元だったりするのかな?

雲を眺めていると、いろんな事が想像できそうで、悔しくて、何故か楽しい。

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