といっても、出版された年に読んだわけではなく、講談社文庫で高校のころに読んだんだけど。
当時の文庫本は、とっくに古本屋さんへ売ってしまっていたんだけど、ブックオフで単行本を見つけたので改めて読んでみた。
ああ、そうだ。
ぼくは、この本にとっても影響されていたんだって、思い出した。
ストーリーとは関係のない唐突な例えや、自分の考えを断定的に語る語り口。それが、物語の中にフィットして独特の世界を作っている。
この物語は、この後「1973年のピンボール」や「羊をめぐる冒険」に続いてゆく。
1970年の8月、大学生の夏休みの、僕と鼠の周りに起こる18日の間の物語。
大学闘争の時代に、そこには、そんな鋭角な物語はない。フラワー・チルドレンの影響が見えたりするけど、傾倒しているわけではない、独特の村上ワールドは30年以上前に完成されていたわけだ。
昨年映画公開された「ノルウエイの森」とか、発表された時に読んだ人がエロいって言ってた人も多かったみたいだけど、そんなの別に普通に描いていたと思うんだけどって、黙って聞いていた。
文字面だけ読むんじゃなく、描かれている場面を感じよう。
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